プロセスを丁寧に解説!中学校数学

プロセスを理解すると自分で考えて問題を解くことができるようになります。

1 整数の性質(中1) 素数と素因数分解1

最初は自然数の確認から

ものの個数は1個,2個,3個とか1本,2本、3本などと数えます。また順番を示すときには1番目、2番目、3番目などのようにいいます。このように、ものの個数を数えたりものの順番を示したりするときに使われる数 1,2,3,4,5,・・・ のことを自然数といいます。

今回の解説では自然数という用語が何度も出てきます。自然数がどのような数なのかを確認できたところで本題に入りましょう。

 

自然数24をいくつかの自然数の積の形で表すと...

たとえば24を2個の自然数の積の形で表すとすると、3×8という形が考えられます。8×3という形も考えられますが、この2つの形は数字が入れ替わっているだけなので同じと考えます。

自然数24をいくつかの自然数の積の形で表すとすると、1×24 2×12 3×8 4×6 2×2×6 2×3×4 2×2×2×3 の7通りの表し方があるとわかります。

 

自然数19をいくつかの自然数の積の形で表すと...

自然数24をいくつかの自然数の積の形で表そうとすると、その表し方は7通りありましたが、自然数19をいくつかの自然数の積の形で表そうとすると1×19という形しかありません。

ある自然数をいくつかの自然数の積の形で表そうとするときに、自然数19のように1とその数自身の積の形でしか表すことができない自然数素数といいます。

※ 1は素数ではありません。注意しましょう。 

 

10から20までの自然数のうちで素数はいくつあるでしょう

1とその数自身の積の形でしか表すことができない自然数素数というのでした。例えば10という自然数は 1×10 2×5 のように2通りの表し方があるので素数ではありません。

このようにして順に調べていくと、10から20までの自然数のうちで1とその数自身の積の形でしか表すことができない自然数は 11(1×11) 13(1×13) 17(1×17) 19(1×19) の4個だけだとわかります。つまり10から20までの自然数のうちで素数は4個あります。

 

素因数と素因数分解

自然数24は 3×8 2×3×4 2×2×2×3 のようにいくつかの自然数の積の形で表すことができました。3×8 2×3×4 には素数ではない自然数が使われていますが、2×2×2×3には素数しか使われていません。

2×2×2×3のようにある自然数がいくつかの素数の積の形で表されているとき、その1つ1つの素数をもとの数の素因数といいます。

また、自然数24を24=2×2×2×3のように素因数だけの積の形で表すことを、24を素因数分解するといいます。 

 

18 56 を素因数分解してみましょう

18を素因数分解すると、18=2×3×3または18=3×2×3という形が考えられます。答えが2つあるように見えますが、書き並べる素因数の順序の違いを考えなければどちらも同じです。

56を素因数分解すると、56=2×2×2×7となります。書き並べる素因数の順序を指示されていなければ、56=7×2×2×2と答えても正解です。

 

今回の解説内容と次回の予告

今回は自然数素数、素因数、素因数分解について解説しました。また、実際に素因数分解ができるようになりました。

次回は素因数分解をする方法についてもう少し具体的に解説します。また、累乗や指数の意味について解説します。